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袖すりあうも他生の嵐

嵐に癒され、大野智さんを尊敬する主婦のゆるいひとりごとです。

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若冲ミラクルワールド第1回:ナビゲーター大野智レポ。 

若冲ミラクルワールド「第1回 色と光の魔術師 奇跡の黄金の秘密」
BSプレミアム  4月25日(月)午後9:00~10:29 より


ナビゲーター大野智
どうも、大野智です。これからですね、僕の大好きな江戸時代の天才絵師伊藤若冲の絵の秘密に今回迫りたいと思います。今日は巨大なスクリーン(世界最高画質のスーパーハイビジョンスクリーン)で若冲の絵が見れるということで非常に楽しみなんですよね。ではさっそく若冲に会いに行きましょう。

画面は、赤と白のストライプの上着とヘルメットに大きなサングラス、鼻、口が印象的な黒人を描いた大野さん21歳、2002年夏の作品。

ナレーション中谷美紀
その特徴はリアルな細密描写。ヒゲの一本一本まで徹底的にこだわります。

画面は、『タツノオトシゴ』大野さん26歳、2007年9-10月の作品。

ナレーション:タツノオトシゴも大野さんの手にかかるとご覧の通り。仕事が終わったあと、深夜ひとり没頭するのが楽しみだといいます。大野さんが若冲と出会ったのは5年ほど前、展覧会で「動植綵絵」に2時間以上釘付けになりました。


巨大スクリーンに映し出された「雪中錦鶏図」を目の当たりにして

大野:わー、うわー、すげー…。いやー、細かいとこまで全部見れる。鶏の模様もいろんな色入っているんですね。コチラに写っているのがですね、450インチ(約9.8m×5.6 m)のスーパーハイビジョンでございます。これは若冲の絵を拡大したものですね。若冲の絵が実際はどんくらいの大きさかといいますとこちらです。(そこには大野さんの身長ほどの高さの複製。)ここ(中央の鶏)の赤いとこなんて一見ただの赤に見えるじゃないですか。でも、こっち(スーパーハイビジョン)でよく見ると、細かい線が入ってるんですよ。だから本当に無駄がないんですよね、若冲の絵っていうのは。信じらんないな。

スクリーンは動いて牡丹を大きく映し出します。

大野:わー、きれいだなぁ。何でこんな色出すんだろうなぁ。全部知りたいですよ。なんでこの色使ったのかとか。若冲の絵を見ていると、どんなふうに描いたのか、そして、何を思って描いたのか疑問で一杯です。そんな謎に満ちた若冲の魅力をですね。なんと、今日から4回にわたって解き明かします。先ず第1回目は色彩の秘密に迫ります。

ナレーション:スーパーハイビジョンが初めて捕らえた若冲の色彩の魔術。大野さんが見ているのは、スーパーハイビジョンの構成再映像を自由自在に拡大できる最新のシステム。…肉眼では捕らえられない細部まで鮮明な画像で見る事が出来ます。

大野:なんだ、すっげー。この機械があったらオレ、寝不足になるな(笑)。

ナレーション:大野さんが注目したのは向日葵の下で鶏がポーズを決めるこの一幅(「向日葵雄鶏図」)。

大野:ここの羽根のとこパーフェクトだもん。うわー、イヤー。あっちゃー(笑)。なんだろう、すっげー。こう描いてる間とかほぼ完璧だもんな。ふつうこの線、二重になったり…、僕はしちゃうんだけどなぁ。これだってあんまり一本一本ゆっくり描いていられないもん。描いてたらこんなキレイに出なかったり歪んだりしちゃうのに…。ある程度スッスッってやんないと…。ここ(向日葵のガクの部分)、細かいなぁ。濃いとこ、だんだん薄くなってるので…。これはちょっと…。よりで見ると斑もないし、引きで見るともう立体ですね。リアルになってくるんだ。引きで見るのとよりで見るのと絵が変わって見えるというか…。なんていうのかなぁ。引きで見て一色で見えたものが、よると数え切れないほどの色を使っているんですね。それで、引いてみると一色に見えるけど、なんかすごい、そこだけ光って見えるんですね。不思議だなぁ。なんでここまで若冲は色にこだわっていたのか。その理由ってなんなんでしょうかねぇ。

個体を構成しているひとつひとつの素材自体も生きている。色が爆発して豊穣な宇宙を作っている。それはそのまま生命の豊かさの表現である。生きとし生けるすばらしいものがやがて死んで行ってしまう運命にある。若冲がひとつひとつの色にこめたのは生きるものにたいする祈りなのではないか。by茂木健一郎


大野
:「動植綵絵」のなかでとても気になる一枚があります。「老松白鳳図」です。「動植綵絵」には実際に存在する動植物が描かれています。でも、この絵だけは唯一想像上の鳥である鳳凰が描かれているんです。  

いやー、何にも言えなくなっちゃった。「老松白鳳図」、僕の好きな絵でもあります。これをはじめて見たとき、衝撃を受けたのがこの赤いハートっぽい模様。若冲はなんでこういう風に描いたのかなっていうのが…。ハートなんてこの時代ないし、江戸時代にハートのこの形を描いているのが、なんでだろうって…。たまたまじゃない感じがするんですよね。あと、白の羽根だよなぁ。これ、不思議なのが金が混ざっている感じ…。どうなってるんだ、これ。近くだとわかんない。(上を見上げて)、あっ、こっから見ると金が混じってる感じがするんですよ。金に見えるんだよね。で、引いてみると、輝いているっていうかなんていうんだろう。ホント、すごい輝きだよな。どうなってるんだ?これ。

若冲はどうやって黄金の羽根を描いたのでしょうか。そこには若冲の驚くべきテクニックが隠されていました。


絵の具の成分を調べてみると検出されたのは「金」ではなく「鉄」。若冲が使っていたのは酸化した鉄で作られた「黄土」という黄色。絹の表に「白」で鳳凰の羽根を描き、裏から「黄土」を塗る。若冲得意の裏彩色。金は一切使っていませんでした。金の輝きを感じるには黄色の地色とそこに白と黒が絶妙のバランス。鳳凰もその三つの色が巧みに組み合わされていた。羽根の白、裏彩色の黄色、そしてよく見ると羽根の隙間に黒っぽいところが…。絵を保護するために使う布、肌裏。普通は白。若冲はあえてそれを黒にしていた。鳳凰の羽根の黒は、肌裏が透けて見えていた。若冲は黄金を生み出す色の条件を知り尽くしていた。

金属工学の金色とは違った表現をしている。でも、知覚のレベルでは同じ金色。見方によると、脳のある部分では同じような応答が出ているんだけれど、絵として作るのは凡人では出来ない。試行錯誤で作ったんだと思うんですけれども、この独特の金の表現に行き着いたのはすごい。金色知覚の研究を根本的に考え直さないといけない。by東京工業大学教授 内川恵二



命には限りがある。その一方で我々は永遠というものを求める。あえて永遠を象徴する金色を使うことで若冲が考えていたのは「救済」魂の救済だったと僕は思いますね。我々は死んでいくし、くすんでいってしまうけれど、生きる表現に金色を使うことによって、あたかも命が永遠になったような救いをもたらす。それが若冲の狙いだったんじゃあないかと思いますね。by茂木健一郎

大野:この金色の羽根は命の輝きを表していたのではないでしょうか。いや、ホントに深いですね。参りました。


若冲がたどり着いた奇跡の金色の表現方法は、本物の金より金色らしく、250年経った今も変わらず光り続けている。当時も今もだれも考え付かなかった独自の方法。そこにたどり着くまでに重ねた試行錯誤はいくつもの失敗の山を築いたに違いない。それは大野さんの好む生き方でもあるのではないか。”失敗をしつくせば成功する。”、”説明書を読むと負けた気がする”と、試行錯誤することで今の作風を確立してきた大野さん。若冲に圧倒されながらも楽しそうな大野さんを見ながら、ここから、また新しい大野ワールドが広がる予感がします。本物より本物らしくリアルを追求する大野さんの、情熱と好奇心でキラキラ輝く瞳の奥を思わず覗き込んでしまいました。


| 若冲ミラクルワールド | 09:43 | comments(-) | trackbacks(-) | TOP↑

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