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袖すりあうも他生の嵐

嵐に癒され、大野智さんを尊敬する主婦のゆるいひとりごとです。

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若冲ミラクルワールド第3回:(大野智×山下裕二)篇

若冲ミラクルワールド「第3回 千年先を見つめた絵師 ボーダレスJAKUCHU」
BSプレミアム  4月27日(水)午後9:00~10:29 より



白い部屋に置かれたのは「鳥獣花木図屏風」の複製。


大野:きたねー、いやこれは新しいすっねぇ。にわとりはいるんだよ。『動植綵絵』とはまた別物ですねぇ。この四角いマスみたいのがなんか現れましたねぇ。今までこんなの無かったんだけどなぁ。こ、これなんだ?四角の中にまたなんか四角く描いてあるもん。どこなんだろう?これ。海外か?だって象とかいるしねぇ、トラもいるし。いやー、でもいろんな動物たちがいるなぁ~。日本の絵師なのになんか日本ぽくないんですよね。あぁ、またなんかやられた感じだなぁ。悩まされるぜ。いやー、不思議な絵だね。本当…。


なぜ、若冲はこんな不思議な絵を描いたのでしょうか?そして、そこにはどんな狙いが隠されているのか?まずは、この絵の持ち主を訪ねて海を渡りましょう。

ナレーション:日本絵画史上もっともアバンギャルドともいわれる「鳥獣花木図屏風」。若冲の中でも独特な作品です。…(若冲の絵とそっくりだったペルシャ絨毯のボーダーの模様は)楽園を取り囲むものだったのです。若冲が屏風に描いた動物達や鳥たちの世界。そこでは互いに傷つけあうことはありません。姿形も違う生き物が仲むつまじくしあわせなときを過ごしています。鎖国の時代、異国のものを貪欲に取り入れた若冲。そして作り上げたのはボーダレスな楽園でした。


大野:はぁー、なるほどね。これ楽園なんすね。これ全部。だから何でもいるんだ。それにしも相当、相当いますよね。サルでしょ、1。これトラだよね、2。ウサギ、…29、30、31、32、33、34…。あれ?今いくつだっけ?50いくつだっけ?52?…まあ、一杯いるってことですよ(笑)。ほら、ここなんか一杯いるもん。数えられないわ。細か!これ。うあぁ、やっぱ、若冲しかできないですよ。だってこんな同じことボクできないですもん。ここ!これもいるんだ。分かんなかった。これわかった!メロンっぽくないですか?うまそうだもん、メロン。動物以外の実がいっぱいあるんだよね、木の実っていうか。それもなんか南国っぽいんだよなぁ。相当斬新だよなぁ、これ絶対。だって、今のボクらが見ても「今の絵」って感じしますもん。アート、今のアートって感じするもんな。当時の人たちはこれを見た時どう思ったんだろうなぁ。



大野智×山下裕二(明治学院大学教授。若冲の斬新さに注目する美術史家)

バックには「鳥獣花木図屏風」
大野:若冲はこの新しいものを吸収して進化させる?
山下:うん。
大野:若冲のすごさって、いったいどっから来るかっていうか…。なんなんですかねぇ。
大野:うん、まぁいろんなものを取り込んでいますよねぇ。彼はほぼ独学に近い人だから。
大野:はい。
山下:流派とか当時の約束事とかにしばられることなく、なんでも自分の表現のために貪欲に取り入れることができた人なんですね。
大野:ほー。
山下:自分が納得できるまでそれを吸収して、しかも自分のものとして昇華させていくみたいな、そういう感じですよね。
大野:日本の画家じゃないですか。なんで、こういう海外の情報をどっから仕入れていたんですか?
山下:もちろんね、基本的には長崎経由のわけです。長崎だけが貿易港としてオランダとの通商の場だったわけね。だから、入り口はうんと狭かったわけですけども、その小さな窓口を通じて入ってくる情報を…。
大野:情報を若冲なりに?
山下:そう、情報が少ないゆえにかえってその情報に対する渇望感があるよね。
大野:逆にいろんないイメージが沸いてきたりだとか?
山下:そう。今の時代みたいにインターネットで瞬時に世界中のことがなんでも画像で見られるようだとかえってありがたみがないっていうか。
大野:それで終わってしまいますもんね。
山下:そう、ああそうなのねって。
大野:そうだよねって。
山下:終わってしまいますもんね。そうではなくて本当に乏しい情報であるがゆえにかえってそれが沁みるというかね。
大野:うん。
山下:そんな感覚だったと思います。当時の人にとってはね。
大野:なるほど。いやー、でも頭ん中いったい何が見えてるのかが…。
山下:本当にこれブッ飛んだ表現だからね。なかなかそう簡単には理解されなかったんですね。
大野:ああ、逆に。確かに。
山下:だけど若冲はね、きっと遠い将来に自分の絵がね、理解される日が来るはずだみたいなね、そういう言葉を残してるんですよ。

ふたりは次の間へ。大野さんがふすまを開けると、そこには一幅の掛軸が。
大野:あった。先生、これはいったいなんて読むんですか?
山下:せんざいぐがんのとをまつ(千載具眼の徒を竢つ)と読みますね。
大野:千載?
山下:千載というのは千年という意味ですね。具眼というのはよく見える人とでも言うのかな。よく分かる人。
大野:分かる人。
山下:いい目の人。要するに自分の絵を本当によく分かる人が千年後に出てくるであろうと。彼が描いた当時からね、若冲の絵はちゃんと評価はされていたんですよ。
大野:されてはいたんですね。
山下:もちろんね。だけど、”千年後に自分の絵が分かるだろう”っていうのは、彼の自信のあらわれでもありますね。
大野:なるほど。
山下:なまじ新しいことなんか目指してないんですよ。ちょっと新しいことをやってみようなんていうものはすぐ古くなっちゃうんだよね。だけど若冲の絵はね、100年経とうが1000年経とうがね、別にいつの時代とか関係なくね、今ここにあるものとしてね…、うん。
大野:カッコいいなぁ。


エンディング
大野:千年先の人々は、若冲の作品にどんな美を見出すのでしょうか。まだまだ私たちの知らない美が隠されているかもしれません…。


話しているうちにどんどん先生の顔が軟らかく楽しそうにそして生き生きしてくるのが分かります。好きな若冲の話をされているのだから当然かもしれませんが、目の前で話しているこの大野智という人が、若冲を愛しているからこそ、もっと言うなら若冲と重なるからこそ、こんなに楽しいのではないか。おふたりの対談を見ながら、大野さんの生き方が浮き彫りにされるようなワクワク感と感動に包まれました。大野智という人はね、別にいつの時代とか関係なくね、今ここにあるものとしてその時代の人たちに受け入れられるんだろうね…。カッコいいなぁ。



いつも拍手をありがとうございますm(_ _)m
よい一日を♪

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